「修理を依頼されるお客様は、製品に何らかの不具合があってご連絡くださるのですから、その時点ではマイナスの気持ちでいるはずです。中にはお電話をいただいたときからすごく怒っていたり、むっつりしてお話してくれない方もいます。そういう方には、製品を修理するだけではマイナスをゼロに戻すだけ。自分としてはプラスの気持ちになっていただいて、最後は笑顔で退出することを目指してきました」
これがCSマイスターたるサービスマンのCSの心だ。岡本氏はどんなに怒っているお客様の前でも笑顔を崩さず、少しずつその場の空気を和らげていく。その笑顔がいかにも作られたようなものならば、かえってお客様を怒らせてしまう。自然な笑顔で”いい雰囲気”を作っていき、自分のペースを崩さずに誠実に対応していくと、必ず最後には分かってくれるという自信が岡本氏にはある。
独身の岡本氏は、お客様からお見合い話を勧められたり、「うちの娘と結婚しないか」と持ちかけられることもしばしばだというから面白い。初対面のお客様であっても、彼の人柄ややさしい雰囲気は短い時間で伝わるのだろう。CSマイスターである以前に、人としていかに誠実であるか。結局はそこが問われているのだ。
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