安全上のご注意
器具の寿命、LEDの特性、
固有エネルギー消費効率について
照明器具の寿命と長期ご使用の際の安全性維持
- 照明器具には寿命があります
- 設置して10年経つと、外観に異常がなくても内部の劣化は進行しています。点検・交換をおすすめします。
※使用条件は周囲温度30℃、1日10時間点灯、年間3,000時間点灯。(JIS C8105-1解説による。) - 周囲温度が高い場合、点灯時間が長い場合は、寿命が短くなります。
- 3年に1回は、工事店等の専門家による点検をお受け下さい。
- 点検せずに長期間使い続けると、まれに発煙、発火、感電などに至る恐れがあります。
照明器具の寿命と長期ご使用の際の安全性維持
照明器具の耐用年限は使用条件(周囲温度・湿度・電源電圧・点灯時間・汚損・振動など)に よって異なります。JIS C8105-1の解説では次のように示されています。
JIS C8105-1「照明器具-第1部:安全性追求事項通則」解説より抜粋
電気用品安全法の技術基準では、規定条件での電気絶縁材料の性能の限界を40,000時間としております。実際には諸条件が影響し、30,000時間くらいから磨耗故障期とよばれる部品劣化が始まるとされています。定格電圧、常温で照明器具を集団で使用している場合の使用時間(または年数)と累積故障率の関係は(図1)のとおりです。この照明器具の累積故障率を基に、照明器具の用途・使用状況を想定して適正交換時期の目安を算出したものを(表1)に示します。
図1:照明器具の累積故障率
累積点灯年数
(10時間/日、年間3,000時間点灯)
表1:適正交換時期の目安
使用時間 | 1,500時間/年 (5時間/日) |
3,000時間/年 (10時間/日) |
5,000時間/年 (17時間/日) |
8,000時間/年 (24時間/日) |
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主な用途 | 体育館、会議室 | 事務所(一般)、 工場、店舗 |
工場(2交替) | 工場(全日操業) 24時間点灯 |
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使用条件 | 電圧 | 定格 | 105% | 定格 | 105% | 定格 | 105% | 定格 | 105% | ||||||||
温度(℃) | 30以下 | 40 | 30以下 | 40 | 30以下 | 40 | 30以下 | 40 | 30以下 | 40 | 30以下 | 40 | 30以下 | 40 | 30以下 | 40 | |
交換時期(年) | 15 | 10 | 14 | 7 | 10 | 5 | 7 | 3.5 | 6 | 3 | 4 | 2 | 3.8 | 1.9 | 2.5 | 1.3 |
LED電源の寿命
LED電源は多種にわたる電子部品を使用しているため、LED器具の寿命はそれぞれの電子部品の劣化に大きく左右されます。各電子不品の寿命劣化については一般的に下表のように考えられ、それを考慮した設計をおこなっています。
LED電源の主な寿命要因と劣化現象
部品名称 | 主な劣化モード | 主な劣化影響要因 | 劣化現象 |
---|---|---|---|
巻線類(トランスチョーク) | 絶縁性能低下 | 温度上昇・電圧 | レアショート(層間短絡) |
電解コンデンサ | 電解液の蒸発 | 温度上昇 | 容積低下 |
フィルムコンデンサ | 絶縁性能低下 | 温度上昇・温度 | tanδ(損失)増大、容量低下 |
半導体部品 | 半導体チップ絶縁破壊 (偶発的発生) |
温度上昇・電圧・ 湿度 |
ショートもしくは特性不良 |
はんだ付部 | はんだ付部、熱膨張収縮によるクラック | 温度上昇・点源頻度 | 不導通 |
プリント基板 | 虫、過度なホコリ付着及び予想外の水滴付着による絶縁劣化 | 使用環境 | 動作不良 |

LEDの寿命
2011年にJIS C8105-3に「LED照明器具性能要求事項」が追加され、寿命については「一般用照明器具の主光源として使用する場合のLEDの寿命は、点灯しなくなるまでの総点灯時間、又は全光束が点灯初期に測定した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間とする。ただし、表示または装飾の用途に使用する場合はこの限りではない。」と定義されました。しかし、実際にはLEDの性能向上により、設定されたLED寿命時間に到達した時の光束維持率が70%を上回ると推定されるものが出てきております。そのため、当社では白色LEDの寿命と共に、光束維持率を併記することといたします。(法令などで寿命定義が定められている場合や、カラー演出など上記の定義にあてはまらないものについてはこの限りではありません)なお、これらはあくまでも設計寿命であり、この寿命を保証するものではありません。
光束値、色温度、照度分布、配光
白色LEDは白熱電球や蛍光灯と比べると色バラツキが多いのが現状です。そのため、個々のLEDにより光色や明るさなどが異なることがあります。またカタログ上の光束値、色温度、照度分布などは参考値であり、その値を保証するものではありません。目安としてお考えください。
固有エネルギー消費効率の定義について
固有エネルギー消費効率とは、器具から出る光の量(定格光束 lm:ルーメン)を消費電力(W:ワット)で割った値。つまり、1Wの電力でどれだけの明るさを発生させられるかを表す数値です。固有エネルギー消費効率が大きいほど、貴重な電力を有効に活かした商品といえます。
(一社)日本照明工業会・ガイド134
「LED照明器具性能に関する表示についてのガイドライン」による
固有エネルギー消費効率(lm/W) | = | LED照明器具から放出される初光束(lm) 消費電力(W) |
- ※ 蛍光灯照明器具のエネルギー消費効率とは算出式が異なるため、エネルギー消費効率の数値を比較する際にはご注意ください。
- ※ 「初光束」とは、初期点灯時の光束を示します。