Nature Technology No.304 scallops ホタテ

冷蔵庫

既成概念を心地よく覆し、
実は猛スピードで移動できるホタテ

貝というと砂や泥の中に静かに潜んでいるイメージが強いのですが、ホタテの場合はちょっと違います。普段は他の貝と同様に大人しいのですが、ときに、"素早く泳ぐ"のです。パクパクと口を開け閉めした後に、凹凸した殻をギュッとかみ合わせて海水を密閉。蝶つがい部分の両側に小さな隙間を作って勢いよく海水を出す(お風呂場でやる指水鉄砲と同じ原理ですね)ことで、ピュッと進みます。素早く泳ぐのは、外敵から逃げると同時に生きやすい場所を探すため。秘められた生存戦略がスゴイですね。

ホタテの凹凸形状
冷蔵庫のドアパーツ
に応用しました

24時間365日稼働する冷蔵庫の省エネを実現するために、
注目したのが、高速移動ができるホタテの形状。

高速移動をも実現する密閉性。ホタテの凹凸

効果ドアの空気抵抗を大きくし、
結露防止ヒーターの消費電力量約20%削減

フレンチドア(観音開き)タイプの冷蔵庫には、ドアの合わせ目部に“ピラー”と呼ばれるパーツが備わっていることを知っていますか?
シャープのフレンチドア冷蔵庫はこのピラーがない“ピラーレス”構造。ドアの合わせ目部は庫内の冷気に晒され結露する場合がありますが、ヒーターで温めることで結露を防止しています。
ホタテの凹凸形状をあわせ面のドアパーツ(パッキン横)に応用することで、空気抵抗が大きくなり冷気漏れを抑制、パッキンと外気温との温度差を少なくすることに成功しました。結露防止ヒーターの使用を減らすことで消費電力の削減につながっています。

ネイチャーテクノロジー採用 ドアパーツ

左右のドアの合わせ面にホタテの貝殻の形状を採用。わずかな隙間はあるが、その形状は直線ではなく、細かな波がかみ合う凹凸形状となっています。デコボコしていることで直線よりも距離が長くなり、そのため空気抵抗が大きくなって、冷気がパッキンに触れにくい構造になっています。

  • イラスト・写真はイメージです。
  1. ホタテ型ドアパーツ搭載により、結露防止ヒーターの消費電力量を約20%以上低減。ホタテ型ドアパーツ搭載の2024年度機種SJ-MF55M(新製品SJ-MF55Pと同等)と従来ドアの2016年度機種SJ-GT55Cで結露防止ヒーターの消費電力量を比較。SJ-MF55M:9.139kWh/年、SJ-GT55C:15.914kWh/年。