Nature Technology No.202 polar bear シロクマ

冷蔵庫

陸上最大の肉食獣として、
極寒の地に暮らすシロクマ

シロクマの正式名称は「ホッキョクグマ」。その名が示す通り、北極圏に生息しています。ホッキョクグマの愛らしさの決め手でもある、白いもふもふとした体毛。実は、その毛は白ではなく透明です。北極圏の平均気温は 5℃~マイナス15℃、冬の時期はマイナス40℃にまで冷え込むこともあり、そんな極寒の地で大きな体を温めるために、透明の毛で効率よく光を取り込んでいるのです。悲しいことに地球温暖化の影響で北極圏の海氷が減少し、ホッキョクグマも絶滅危惧種に指定されています。

シロクマの毛の構造
冷蔵庫のLEDランプのカバー
に応用しました

夜間に冷蔵庫を開けた際まぶしくなく、でも庫内は奥まで明るく照らす方法は…
と探して辿り着いたのが、なんとシロクマ。
実は“白色”ではなく“透明”なシロクマの毛の構造を取り入れることで、
まぶしさを抑えながらも明るい庫内を実現することに成功しました。

光を散乱させ白く見えるシロクマの毛
シロクマの毛の構造

無色透明で中はストローのように空洞なシロクマの毛。この構造により内部で光が散乱し、熱を取り込むことができます。

効果まぶしさを抑えて、
冷蔵庫内の照度をアップ

シロクマの毛は無色透明で、中はストローのように空洞。この構造により光を散乱させ熱を取り込むことで、極寒の環境でも体を温めています。
庫内のLEDランプのカバーに、このシロクマの毛の構造を応用。凹形状の空洞をカバーの中央部に設けることで、直進的なLEDの光を多方向に拡散させることに成功。
庫内奥側の照度はアップさせつつ、まぶしさを抑えることができました。

従来ランプカバー

光が直線的で、狭い範囲にしか届かない。また、光の指向性も強いため眩しく感じます。

ネイチャーテクノロジー採用 ランプカバー

ドーム状の凹みがあることにより光を広く拡散し、柔らかく広げるため、まぶしさを抑えながら奥まで明るい庫内を実現しました。

  • イラスト・写真はイメージです。