
骨伝導補聴器は難聴に有効?骨伝導の仕組みとおすすめの補聴器を解説 !
2025.03.24
最近よく耳にする「骨伝導イヤホン」。骨伝導イヤホンの評判をよく聞くようになったので、「骨伝導補聴器」についても問い合わせが増えています。骨伝導補聴器とは、いったいどんなものなのか気になっている人も多いのではないでしょうか。今回は、骨伝導の仕組みや骨伝導補聴器が有効なケースなどを解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
「骨伝導補聴器」とは?
骨伝導補聴器とは、骨を介して音の振動を直接内耳に伝える「骨伝導」の仕組みを利用した補聴器です。
骨伝導補聴器は、中耳や外耳に異常のある人や、耳穴が狭い方、生れつき外耳道がふさがっている方、何らかの理由によって一般的な補聴器が使えない方などに適しています。
そもそも「骨伝導」とは?どんな仕組み?
骨伝導(骨導とも言います)とは、音を頭蓋骨への振動によって直接内部に伝える仕組みのことです。あまり知られていませんが、普段、私たちが聞いている音には「気導音」と「骨導音」の2種類があります。

気導音は、音が外耳道を通って鼓膜に届き、そこからさらに中耳・内耳を経て脳へ届くことで音として認識するもの。一方、骨導音は外耳道・中耳を通さず、内耳に直接、頭蓋骨の振動が届き、内耳を経て脳に伝わることで音として認識されるものです。
仮に耳をふさいでも、自分の発する声は聞こえますよね?これは、声を発したときの声帯の振動が口や鼻の中で共鳴し、その振動が頭蓋骨に伝わり、骨導音として脳が認識しているのです。
骨伝導イヤホンと骨伝導補聴器の違い
骨伝導イヤホンと骨伝導補聴器の違いは、その「使用目的」にあります。名称が似ていることから混同されやすいですが、「補聴器」と「イヤホン」ですので、性能や用途は根本的に違っています。骨伝導イヤホンは誰でも気軽に使える家電製品ですが、骨伝導補聴器は医療機器であるため、誰でも使えるというわけではありません。まずは、それぞれの違いをしっかりと理解し、自分に適したものを選ぶことが大切でしょう 。

骨伝導イヤホンとは
骨伝導イヤホンとは、骨を振動させることで、音を内耳に直接届けるイヤホンです。そのため「イヤホンなのに耳をふさがない」のが特徴です。つまり、音楽を楽しみながら、なおかつ周辺の音も聞くことができます。これが、家事やランニングの際に便利だとして、多くの人に支持されています。
骨伝導補聴器とは
一方、骨伝導補聴器は、骨の振動を利用して音を内耳へ伝える医療機器です。聴力の低下をサポートするために開発されたもので、難聴者が使用します。骨伝導の仕組みを利用した耳を塞がないタイプの機器ですから、外耳から中耳に障害がある人に向くと言われています。ただし、外耳から中耳の障害は、医療的な治療で治せる可能性が高いこともあり、難聴であっても、補聴器を使う前にまず医療機関を受診し、治療の検討を行うべきです。
骨伝導補聴器のメリットとデメリットは?
骨伝導補聴器は、空気ではなく骨を通して音を伝える補聴器です。耳を塞がずに使えるものなので、適応する難聴タイプの人は便利に使えることでしょう。
しかし、そんな骨伝導補聴器にもメリット・デメリットがあり、難聴の種類や程度によっては適さない場合があります。補聴器購入で失敗しないためにも、自分に合う補聴器はしっかり見極めたいですね。
骨伝導補聴器のメリット
骨伝導補聴器は、音を鼓膜ではなく骨を通して内耳に伝える機器ですので、耳の穴を塞がずに使うことができます。
骨伝導補聴器のデメリット
一方で、骨伝導補聴器は、いくつかのデメリットも存在します。
まずは、骨伝導補聴器特有の”締め付け感”が挙げられます。骨伝導補聴器は、きつく当てていなければきちんと音が伝わりません。これをラクにしようと、締め付けを緩めてしまっては、逆に音がしっかり聞こえないという問題につながります。さらに、地肌に着ける振動板の部分は非常にズレやすく、ストレスに感じてしまう人が少なくありません。
以上のように、骨伝導補聴器を使用する場合には、自身にもたらすメリットやデメリット、そして次に紹介する難聴の種類をしっかりと考慮する必要があります。
骨伝導補聴器はどんな人におすすめ?高齢者も使える?

骨伝導補聴器は、外耳や中耳などになんらかの異常がある人に適しています。また、生まれつき耳が小さい方や、外耳道がふさがっている方などにも効果的でしょう。骨伝導補聴器はすべての難聴の方に効果があるというわけではありません。前にも書いた通り、基本的に骨伝導補聴器は「外耳や中耳に起因する難聴」の方に有効だと言えます。
難聴にはいくつかの種類があり、この「外耳や中耳に起因する難聴」は「伝音難聴」と呼ばれるものにあたります。そのため、感音難聴や混合性難聴の人は、骨伝導補聴器の効果を感じられない可能性が高いです。
年齢とともに耳が遠くなる加齢性の難聴は、70歳以上の2人に1人が体感していると言います。この加齢性の難聴は「感音難聴」「混合性難聴」のどちらかである場合が多いため、高齢者に骨伝導補聴器は適さないということになります。加齢性の難聴には一般的な補聴器が最適だと言えるでしょう。
難聴の種類 | 骨伝導補聴器の有効性 | 問題の生じている場所 |
---|---|---|
伝音難聴 | 〇 | 外耳・中耳 |
感音難聴 ★ | × | 内耳・聴神経・脳 |
混合性難聴 ★ | × | 伝音難聴と感音難聴の混合 |
加齢による難聴は★のどちらかである場合が多い
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≪この記事の監修者≫

田中智子
認定補聴器技能者
うぐいすヘルスケア株式会社・うぐいす補聴器 代表取締役
MBA(経営学修士)
補聴器を「日常生活をポジティブに自分らしく過ごせるようになるためのツール」と捉え、補聴器専門店「うぐいす補聴器」を開業。以前は有名補聴器メーカーのマーケティング部に所属し、全国5000店舗へ補聴器販売の指導を実施した経歴を持つ。高齢者難聴を得意とし、地域住民への啓蒙活動、高齢者への補聴器の装用トレーニングなども実施している。
